「知財管理」誌

Vol.58 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 58巻(2008年) / 1号 / 21頁
論文区分 論説
論文名 メタバース文化と知的財産
著者 浜田治雄
抄録 インターネット上に提供される目下セカンドライフに代表されるメタバースは、2Dのインターネット世界が進化した次世代の3DCGのインターネット世界であって、現在では現実社会をそのまま仮想社会に置換できる程に人類の新たなICT文化として成熟してきた。このように、メタバースの世界が急速に拡大した理由は、情報を利用するだけであったインターネットがユーザー参加型のWEB2.0に進化し、更に3Dインターネットの時代が到来したことが大きな要因である。ところが、この仮想社会には法は存在せず様々な違法行為が発生する事態となっている。かつて、インターネット文化が芽生え早速ユーザーによる違法行為が目立ち始め、インターネットの接続業者であるプロバイダの法的責任が論議されると、人類はすばやくミレニアム著作権法を成立させたり、あるいは著作権法に技術的保護手段、送信可能化権、権利管理情報等の新たな著作権保護手段を導入して知的財産の保護を強化した。そこで、本稿はこの新たなメタバース文化をどのように受け入れ、さらに成長させるべきかを知的財産の視点を含め、可能な限り検討、考察する。
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