「知財管理」誌
Vol.57 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 57巻(2007年) / 4号 / 609頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.339) |
論文名 | No.339 合意成立後の商標使用と商標権侵害―小売店・HPにおける商標の使用等について― |
著者 | 峯唯夫 |
抄録 | 原告と、本件登録商標に類似する商標を使用していた被告との間では、本件登録商標に類似する商標を使用しないことにつき、合意が成立していた。しかしながら、原告は合意成立後における被告の行為が合意に違背し、商標権を侵害するものであるとして提起した事案である。本件被告行為は、原・被告間において合意書の解釈に齟齬があったことが大きな要因であると思われるが、両者における商標の使用についての理解も異なっている。 商標権の効力という観点からは、特許庁の審査基準における商品の類似の範囲(いわゆる類似群)を越えて商品の類似を認定した数少ない事例であり、小売店のプライスカードにおける商標の使用主体を認定した数少ない事例であり、ホームページにおける商標の使用並びにそれ自体に対する損害額を認定した数少ない事例であるということができる。 そこで、これら商標権の効力に関する争点に焦点を当てて解説する。 |