「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 6号 / 887頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.328) |
論文名 | No.328 意匠における先使用権の認定 |
著者 | 岩坪哲 |
抄録 | 先使用に基づく通常実施権の抗弁は、特許権侵害訴訟において被疑侵害者側から主張される抗弁の典型例の一つであるが、本件は、意匠権に基づく差止請求権不存在確認訴訟において、被疑侵害者が先使用の事実を裏付けるために提出した証拠の評価を巡り一審と二審とが結論を二分した事件である。本件一、二審判決は、特許権等侵害訴訟において先使用権を主張する場合の証拠提出及び事実主張のあり方について示唆するところが大きい。本稿においては、民事訴訟における証明責任論との関連で、先使用権を主張する場合の主要事実及び間接事実並びに証拠の関係について解説を加えるとともに、知的財産権侵害訴訟を取り扱う実務家の目から見た、会社日常業務における資料整理及び保管の重要性についても言及する。 |