「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 5号 / 719頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 最近の判例から学ぶ商標の適切な取得及び使用 |
著者 | 佐藤俊司 |
抄録 | 他人との将来的な紛争を回避し、自らのビジネスの安全性を確保するためには、出願前に先願商標調査を行うことが望ましい。先願商標調査においては、実務上、特許庁審査官の統一的基準である「類似商品・役務審査基準」に基づいて、商品・役務の類似範囲を画定したうえで、商標の類否を検討するのが通常であるが、そもそも商品・役務の類似範囲は、その時代や場所その他の取引実情により変化するものであり、その本質は、容易に定型化できるものではない。 本稿では、特許庁の「類似商品・役務審査基準」上では非類似とされている役務について、同一ないし類似と判断し商標権侵害を肯定した「Career-Japan事件」を題材に、役務の類否判断について検討したうえで、他の判例も踏まえて、商標を使用しようとする者がどのような点に留意して先願商標調査・出願を行うべきか、また、商標権取得後も、どのような点に留意して商標を使用し、また第三者に対して権利行使をすべきかについての考察を試みたものである。 |