「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 7号 / 957頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 職務発明の対価請求権の消滅時効―ドイツ法における対価請求権の「3年」の消滅時効との比較― |
著者 | 川田篤 |
抄録 | ドイツにおいては、2002年のドイツ民法改正により、職務発明の対価請求権(補償請求権)については、改正前のものか、改正後のものかを問わず、すべて「3年」の消滅時効にかかるものとされた。 わが国においても、同様の短期消滅時効を立法により導入し、既存の対価請求権についても短期消滅時効を適用することは、既存の対価請求権自体を奪うものではない以上、十分に可能である。 近い将来、わが国の最高裁判所において、職務発明の対価請求権の消滅時効期間について、明確な判断が下されるであろう。その判断が、使用者及び従業者の利益を適正かつ公平に反映したものであることが望まれる。 しかし、万一、現行法の解釈論の枠内において、使用者及び従業者の利益を適正かつ公平に反映した判断が不可能であるとすれば、職務発明の対価請求権について、ドイツ民法改正と同様の短期消滅時効を立法により導入することが検討されなければならない。 |