「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 12号 / 1811頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.311 ソフトウエアの開発委託契約とソースコードの扱い-「携快電話6」事件- |
著者 | 宮脇正晴 |
抄録 | 本件は直接的にはYの本件仮処分申立てが不法行為に該当するかが問題となった事案であるが、その判断の前提となる問題として著作権法上の問題につき認定判断がなされている。 著作権侵害の判断において、「ソースコードの著作権」がソフトメーカーであるAに帰属するとした点には疑問が残るが、侵害を否定する本判決の結論は正当である。Yがそのような結論を避けるためには、ソフトウエア開発委託契約終了後に交わされた本件合意書において、「ソースコード」の定義や、受注者であるAが該当ソースコードについて有する権利の具体的内容や、該当ソースコードを付加開発できる具体的範囲について合意しておく必要があった。また、Yとしては著作権をAより譲り受けたことにつき、登録を得ておくべきであった。 本件仮処分申立ての不法行為該当性について、判決がこれを否定した点にも、結論としては異論はない。 |