「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 12号 / 1737頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 禁反言の効力とその適用限界 |
著者 | 河野英仁 |
抄録 | 重要発明であればあるほど、発明者/譲渡人は多くの国へ出願を行い、また米国では継続出願(日本では分割出願)を繰り返し特許権の取得、権利範囲の拡張を試みる。特許権者は、このようにして拡張した複数の特許権を基に権利侵害を主張する。一方、特許侵害訴訟において被告は禁反言の法理を抗弁として主張し得る。最近米国の連邦巡回控訴裁判所で争われたMicrosoft Corporation v. Multi-Tech System、Inc.では、後の継続出願の審査過程で生じた禁反言が、すでに成立した特許の権利範囲解釈にまで影響を及ぼすと判示された。米国及び日本の判例を基に、このようにして派生した複数特許間における禁反言の効力とその適用限界について考察すると共に、訴訟に携わる実務者が注意すべき点についても言及する。 |