「知財管理」誌

Vol.53 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 53巻(2003年) / 6号 / 967頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.295 新規事項追加の判断
著者 鍬田充生
抄録 訂正事項が新規事項の追加に該当するか否かについて、特許庁と裁判所とで判断が異なる事件を紹介した。この事案では、特許庁は、東京高裁と同様に、訂正事項の語句「配設」について『「部品の一部」又は「物品の全部」を液中に配設する』という2つの異議があると解釈したが、上記語句を後者の意味に限定的に解釈すべきでないとして、訂正を認めた。これに対して、東京高裁は、明細書等の記載を検討し、「物品の全部を液中に配設する」ことは明細書等に記載されておらず、このように解釈すると、発明の目的が達成されないとして、訂正事項が新規事項の追加に該当すると判断した。本稿では、新規事項に関する「審査基準」、判決例を挙げ、明細書及び図面の作成、補正・訂正の留意点についても検討した。
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