「知財管理」誌

Vol.50 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 50巻(2000年) / 9号 / 1409頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.264 顧問契約業務に関する情報の営業秘密性を否定した不正競争防止法事件
著者 梅谷眞人
抄録 営業秘密として保護されるためには、当該情報の保有者が秘密に管理する意思を有し、当該情報について対外的に漏出させないための管理が客観的に認識できる程度になされている必要がある。この秘密管理性は、法律上の守秘義務とは別に、事実行為として現実に秘密として当該情報を管理しているかという観点で判断される。本件は、原告保有の顧客先名簿、顧問料金表、各得意先の会計および経営の情報を記録した電子フロッピーに関して、秘密である旨の表示、従業員への指導、アクセスできる人的・時間的制限などがなく、原告が当該情報を秘密として管理していたと認定できないことから、原告情報には秘密管理性がないとし、また、被告も役員の個人的知識を使用したにとどまり、原告情報を使用したとは認められないとして、原告の不正競争防止法にもとづく差止および損害賠償請求をいずれも棄却した事例である。
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