「知財管理」誌

Vol.48 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 48巻(1998年) / 9号 / 1451頁
論文区分 特集(環境技術と知的財産)
論文名 環境技術と知的財産をめぐる国際交渉の論点と展望 ―バイオテクノロジーを中心として―
著者 高倉成男
抄録 生物多様性条約(92年5月)では、地球サミットの成功のために先進国が譲歩し、(1)特別な条件での技術移転と、(2)遺伝資源の利用から生じる利益の配分を約束した。TRIPS協定(94年4月)では、バイオテクノロジー発明の特許保護を途上国にも義務づけた。98年5月、EU議会は生物多様性条約とTRIPS協定も考慮に入れて、「バイオテクノロジー発明の保護に関する指令」を採択した。99年1月からTRIPS協定のバイオテクノロジー条項の見直しが始まるが、途上国はTRIPS協定を生物多様性条約の実施に寄与する方向で見直すことを要求するであろう。生物多様性条約を批准していない米国は途上国の要求を退け、バイオテクノジー発明の保護の拡大を求める方針だ。しかし、見直し後のレベルが「EU指令」を越える可能性は低い。
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