国際活動
情報検索委員会 EPO Patent Information Conferenceに代表団を派遣
JIPA知的財産情報検索委員会は、2012年11月5日〜10日の日程でドイツ・ハンブルクにおいて開催されたEPO主催のPatent Information Conference(PIC)に井上常務理事、田辺委員長、伊東委員長代理、宮内委員の4名を派遣しました。PICはEPOが主催し毎年開催される特許情報に特化した国際会議です。現地では3日間にわたって会議に出席し、CPC(欧米特許庁が共同で開発した新たな特許分類)の情報収集、欧州の情報ユーザーグループであるPDGとCEPIUG、欧州の大手特許調査会社であるRWSグループおよびハンブルクに拠点をもつエアバス社を訪問しての意見交換など精力的に活動しました。
今年は会議の出席者が例年より多く、世界42か国から400名以上が参加して盛大な会議となりました。会議期間中に分類担当のディレクターDr. Heldに時間をいただき、CPCについて用意してきた質問事項に応えていただきながら日本ユーザーの有する疑問や要望などを直接伝えることができ、日本では得難い貴重な情報を収集することができました。またアジア情報、法的状況情報等の共通課題につき貴重な情報を得ることができました。
PDGとの意見交換会ではHanelt会長ら4名のボードメンバーに対応いただき特許分類の共通化、アジア特許情報の調査手法など共通する課題について活発な意見交換を行いました。CEPIUGとの意見交換会では、Kuilen会長らと同組織が取り組んでいる情報担当者の育成・資格認定制度について当委員会で過去に取り組んできた教育テーマを紹介しながら議論を行いました。両グループともに今後のJIPAとの連携の約束をすることができました。
RWSグループとの意見交換会では、同社の特許調査手法および分類調和について有意義な意見交換をすることができました。同社における特許調査のセミナーでは日本特許のFI/Fターム活用を含めた調査手法が詳しく解説されており、海外の調査担当者にとっては日本特許調査を行う際に言語の壁を除くための有効なツールとしてFI/Fタームが定常的に活用されていることを再認識しました。
最終日のエアバス社への訪問では、同社の知財戦略について伺うとともに、日本とドイツ企業の知財活動につき意見交換を行いました。当方からは同社の知財活動方針に関して先行技術調査の手法などについて質問し、先方からは日本を含めたアジアの特許情報調査の方法についての質問等があり、短い時間ながら活発な議論を行いました。意見交換の後にはエアバスA380を含む航空機の最終組み立て工程を見学させていただき貴重な経験となりました。
JIPA情報検索委員会は今回構築することができた欧州ユーザーグループとの連携を継続し、今後の調査分野における諸課題に関して日本ユーザーに有益な情報・意見を発信していきたいと考えます。なお、今回得られた情報は報告書にまとめ、後日知財管理誌にて発表いたします。
- ハンブルグ市風景
- 会議風景
- RWSとの意見交換
- CEPIUGとの意見交換
- PDGとの意見交換
- エアバスA380