国際活動

第5回ID5ユーザーセッションへの参加

 2019/12/13(金)、日本にて初めて開催された、日本・米国・欧州・中国・韓国の意匠五庁(ID5)会合(WIPOはオブザーバ参加)のユーザーセッションに、意匠委員会より神田委員長(ヤマハ)、大久保副委員長(富士通)、増田副委員長(マツダ)をはじめとする意匠委員9名が参加しました。本会合では、ID5が取り組んでいるプロジェクトに関する質疑応答やユーザー団体からの意見発信により、今後の意匠保護に関する国際協力の強化、法制度と実務の国際調和、ユーザーの利便性の向上を目的としています。

 今回の会合では、これまで培った制度比較を基に、グローバルな意匠保護が目指すべき指針となる共通意匠実務の作成に向けて努力していくことが、今後の五庁協力の重要な活動方針と位置付ける「ID5共同声明2019」として採択されました。

 また、ユーザーセッションでは、共通意匠実務作成の先駆けともなる「推奨意匠実務に関する研究」をはじめとして、より効果的でユーザーフレンドリーな意匠保護をテーマに、五庁とユーザーとの間で活発な意見交換が行われました。意匠委員会からは、「デザインによるブランド形成 それを支援する日本の意匠法改正“関連意匠制度の拡充“」と称し、増田副委員長が発表を行い、他国に対しても、一貫性を持ったデザインによるブランド形成とそれを保護するための意匠制度の検討を要望しました。

 他国のユーザーから発表においては、図面要件の緩和および統一、登録意匠の公開タイミングの選択、グレイスピリオド、GUI保護要件など、JIPAがもつ課題・要望事項と同様の意見が挙げられていました。これら課題・要望に対する明確な回答を各国特許庁側からは得られなかったものの、ID5で挙がったユーザーの意見は真摯に受け止め、共通意匠実務の作成に向けて努力していくとの各国特許庁側からの発言もあり、出願人側にとってより利便性の向上が参加各国において進むものと考えられます。

  来年度のID5は米国での開催が決定されています。JIPAとしては他国のユーザーと意見交換を実施するとともに、各業界団体とも連携を図り、権利者側にとって有益な法改正となるよう働き掛けを進めていきます。

以上


※経産省HP、特許庁HPにもアップされております。
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191216001/20191216001.html
https://www.jpo.go.jp/news/ugoki/201912/121601.html

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