国際活動

商標委員会 第5回TM5ユーザー会合への参加

 2017/12/1(金)、スペイン・アリカンテにおいて開催された、日本・米国・欧州・中国・韓国の商標五庁(TM5)会合のユーザーミーティングに、商標委員会より中村小委員長(ニコン)と、 木村委員(日産自動車)が参加しました。本会合では、TM5が取り組んでいるプロジェクトや共通テーマについてユーザー団体と意見交換を行い、商標制度・運用の改善およびユーザーフレンドリー・ ハーモナイゼーションの促進を目的としています。
 参加団体は、JPO、USPTO、EUIPO、SAIC及びKIPOの各国商標所管官庁と各国・地域のユーザー団体、商標事務所等でした。日本のユーザー団体としてはJPAA、JTA、JIPAが参加しました。

 JIPAからは、五庁が協力して進めているプロジェクトに対する意見発信及び質問・要請を行ってきました。具体的な内容は以下の通りです。

  1. ユーザー参画プロジェクト
     悪意商標出願プロジェクトに関するプレゼンテーションを行ってきました。
    JPOが主導する悪意の商標出願に対する方策プロジェクトにおいて、「悪意の商標出願および侵害事例」等を紹介し、各社の窮状の理解を促すとともに、悪意の商標出願を審査段階で 拒絶することによる異議申立の件数の減少や、訴訟における悪意性の立証負担軽減を見込む「審査時・訴訟時のサポート資料としての著名商標リストの作成」という対策案を提案してきました。  提案は審査官にとっては判断基準への折込が難しいのでは」という意見もありましたが、「検討に値する素晴らしい提案だ。」との後押しも頂きました。
     テーブルトピックディスカッションにおいては悪意商標出願のトピックに参加し、悪意の商標出願の定義に「繰り返し出願」を含める点について、TM5の参加各庁に対応について照会したうえで、 今後定義づけがなされる場合には、実際のビジネスの運用を考慮した対応を望む意見を発信しました。参加各庁の回答は、原則悪意の商標出願の認定は事案毎に決定するとの事であると理解しました。
  2. 質問・要請
    詐欺的請求について
     USPTOからの提案である「詐欺的請求(特許庁と間違う差出人名で更新手続き等の提案をし、手数料を騙し取る)」に関する議題において、すでに司法が対応しているケースもあることから、 ユーザーサイドに対し、受領した詐欺的請求書の提供を求められたため、JIPAとしてはJPOを通して提供することを承諾しました。

 引き続き、商標委員会からの委員派遣を継続し、今回の提案・意見発信等の実現を目指すべきと考えています。合わせて、他ユーザー団体との連携を図りながら、各プロジェクト等への意見表明や質問を通し、 JIPA加盟各企業へ有益なものになるよう導くとともに、TM5の発展に寄与できれば商標業界でのJIPAのプレゼンスも向上するものと考えています。

以上     

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