国際活動

商標委員会 INTA(国際商標協会)年次総会及びTM5中間会合への派遣

 2017/5/19-26、スペイン バルセロナにおいて第139回年次総会が開催され、JIPA商標委員会から近江恵 委員長(NTTデータ)、本田順一 委員長代理(大塚製薬)、 吉田康浩 副委員長(トヨタ自動車)の3名を派遣し、JIPAの活動紹介を行うとともに、日本国特許庁と協力して日本企業のかかえる商標の課題について実例と共に 伝え制度整備への期待を訴えました。また、各国の関係機関とのネットワークを構築したりするなど、会合の特性や規模を活用した様々な活動を実施いたしました。

 INTA(International Trademark Association、国際商標協会)は、登録商標とそれに関連する知的財産を保護することによって消費者を守り、公正で効果的な商業活動を 促進することを目的とした国際組織であり、190以上の国の30,000を超える商標実務家、専門家から構成されます。年次総会は商標に関する世界最大級の知財イベントであり、 各国から1万人以上の参加者が集まります。また、主要国官庁や特許事務所、企業等によるセッションやブース展示も実施され、日米欧中韓の商標5庁によるTM5中間会合も同時開催されます。

  • 【派遣メンバー (日本国特許庁ブースにて)】
  • 【JIPA紹介パネル】

主な活動内容

 (1)TM5中間会合への参加及びプレゼンテーション
 TM5(日米欧中韓 商標5庁)中間会合にて実施された「悪意の商標出願」プロジェクトに関するセッションにおいて、日本のユーザーを代表し 「悪意の商標出願」をテーマにしたプレゼンテーションを実施しました。会員企業が直面している「悪意の商標出願」事例や問題点を挙げながら、 各国当局及び関係者に対して日本企業の商標の保護を訴えるとともに、プロジェクト及び制度整備への期待を示しました。
JIPAのプレゼンテーション
 (2)欧州(EUIPO)とのユーザーセッション
 近年のEUIPOへの商標出願動向や取組み(商標検索システムのグローバルネットワーク化等)について紹介が行われました。 JIPAからはイギリスのEU離脱に伴うEU商標権の効力について質問を行い、ユーザーの混乱を回避するためにも早期にEUIPOに見解を公表していただきたいと要望しました。
JIPAよる質疑
(3)中国(SAIC)とのユーザーセッション
 中国商標制度を管轄する中国国家工商行政管理局(SAIC)と各国ユーザー団体との間で議論が行われ、現在中国で正式には導入されていない コンセント制度の正式導入等に関する意見交換を行いました。また、中国での審査機関が3地域に拡大されことを受け、JIPAからは審査品質を均一化及び担保を要請しました。

セッション模様
(4)ベトナム著名商標プロジェクトとの意見交換
 ベトナムにおける著名商標保護の課題についてベトナム知財庁及び科学技術省(MOST)と意見交換を実施しました。日本企業に関する「悪意の商標出願」等の紹介を通じ、 著名商標に関する会員企業の現地ビジネスへの影響・課題を訴え、今後の制度改善を要望しました。

意見交換を実施した会場模様
(5)欧州ユーザー団体(MARQUES)との意見交換
 WIPOマドリッド作業部会(6月)に先立ち、同作業部会のテーマの1つとなる予定の商標同一性(※)の 審査緩和の是非に関し事前の意見交換を行いました。商標委員会内で事前に行ったアンケートの結果をもとに意見発信内容について共有し、JIPA意見のサポート及び今後の連携を求めました。
MARQUES及びJIPAメンバー
(6)JIPA活動紹介及び模倣品展示
 日本国特許庁ブースの一角をJIPAスペースとし、商標委員会の活動を紹介するパネル展示や委員の所属各社に提供戴いた 製品(ゴルフクラブ、ラケット、シューズ、オイルフィルター等)の模倣品・真正品や模倣品真贋判定ツールを紹介しました。
 現物の展示に注目して足を止める人が多く、昨年度を上回る総計800人を超える来訪者がありました。外観上の判別の困難さや真贋判定方法の説明等を通じて会員企業の模倣品被害の実情・ 課題を訴え、各国の特許庁関係者等にも日本企業製品の模倣品に対する保護強化を要望した。

JPOブースにおける活動
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