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国際活動
WIPO-SCP (Standing Committee of the Law of Patents)
22nd sessionへの参加
今回の会合は、進歩性および開示十分性を中心とした「特許の質」がメインの議案になっていましたが、「特許と健康」、「技術移転」もOther Issuesとして含まれていたため、前回に続いて、「特許と健康」、「技術移転」に関連する産業界の取り組みや意見を必要に応じて表明できるように、日本製薬工業協会(製薬協)および国際製薬団体連合会(IFPMA)と連携してステートメント(意見表明)案を作成し、参加前に日本国特許庁や現地の日本政府代表等と共有し、会議に参加致しました。
今回のSCPは、議長であるルーマニア特許庁長官の流れの良いファシリテートにより、例年以上にオブザーバーであるNGO等も積極的に意見表明できる建設的な会合となりました。 途上国側はすべてのセッションにおいて、医薬品の途上国への技術移転、Public Healthの重要性と関連付け、医薬発明への高い進歩性判断基準の適用、開示十分性の観点からのマーカッシュクレームの問題、技術移転のための明細書へのINN開示や強制実施権の必要性などを主張していました。一方、「特許と健康」のセッションでは、日本政府代表等から、イノベーションの観点から医薬品のR&D活動へのインセンティブのために特許制度が重要であるとの意見表明があり、JIPAからも医薬品技術の特許保護が途上国の患者の ための継続的な新薬開発を可能にすることを強調するステートメントを出しました。具体的には、「優れた医薬品を世界中の患者に提供することが我々のミッションであり、 先進国と途上国が協力して実現しなければいけないこと;膨大な費用と時間をかけて開発される医薬品開発のインセンティブとして、先進国と途上国の両方で特許保護が必要であること;日本において物質特許制度の導入により日本発の医薬品の数が上昇したというファクト;日本の製薬企業がWIPO Re:Search、GHIT等への参加により、途上国における疾患に対する医薬品の開発に積極的に取り組んでいる現状」を発表しました。
今回の会議では前回同様に、事前に日本国特許庁、現地の日本政府代表、製薬協等と協働しながら準備を行い、JIPAのステートメントを表明することができたことは、大きな 成果になりました。一方、今後は途上国側が主張する途上国における医薬品価格への特許のインパクトに対する有効な意見を発信して行く必要があると思います。
写真は、WIPO知財部長、日本国特許庁を含めた日本政府代表団、JPAA(日本弁理士会)、APAA(アジア弁理士会)の方々とのもの、並びに会議場風景です。