国際活動

情報検索委員会:特許分類調和に関するWIPOへの提言及び69th PDG IMPACT Meetingへの参加

 情報検索委員会では、2015/4/16-21にかけ、井上常務理事(シスメックス)を団長とする3名の代表団を、ロンドンで開催された69th PDG IMPACT Meeting、 ジュネーブのWIPO、及びベルンのip-search(スイス特許庁)に派遣しました。
 出席2回目となる PDG IMPACT Meetingでは、EPOのユーザー団体であるPatent Documentation Group(PDG)及びEPO分類担当者と、日本企業にとってメリットのある特許情報環境の 充実を図るために、下記プレゼンテーションと会談を通じて、情報交換を進めました。
 WIPOへの訪問では、情報検索委員会で検討してきた特許分類に関する研究結果を基に分類調和の提言、およびWIPOが提供するIPC, FI, CPCのコンコーダンス機能の改善を要望 しました。またip-searchでは、特許サーチ手法に関して意見交換しました。

1. PDG IMPACT Meeting でのプレゼンテーション

 EPO,PDGに加え、日本からJETROの出席者がある中、JIPA情報検索委員会での成果を元に、CPCとFIを対比させた俯瞰的な分析結果を紹介しました。分類調和の重要性を再度共有し、 今後の調和要望活動の推進協力について理解を得ました。
 また、EPOの分類担当者 Nelson Das Neves 氏にJIPAの研修コースで情報検索委員会が行っているCPCの臨時研修に関する講義を紹介したところ、大変興味を示されました。 今後日本を訪問して、JIPAと共にCPCのプレゼンテーションを実施する提案を頂きました。情報検索委員会では実現に向け検討していく予定です。

2. WIPO訪問

 WIPO高木氏、分類担当者 Antonios Farassopoulos氏、 Ning Xu氏と会談を行いました。今後のIPC改正への期待と、PatentScopeへの機能追加の要望を行いました。今後の IPC改正への期待として、FIとCPCの両分類を調和するためには、IPCを細分化することしかなく、早期に実現してほしい事を提言しました。また、PatentScopeへの機能追加の 要望では、ファミリーに付与される CPC, FI, IPC の相関の分析結果(情報検索委員会の研究成果)を提示して、WIPOが提供する分類コンコーダンスがファミリー付与観点を 考慮して表示するように機能改善を要望しました。情報検索委員会で研究した分析結果のバルクデータをWIPOへ提供し、研究成果をWIPOで活用してもらうこととなりました。

3.ip-search(ベルン工科大学)訪問

 スイス特許庁Yvonne Schumacher氏、ip-search特許サーチャー Markus Funk氏、Jochen Spuck氏と会談を行いました。ip-searchは、スイス特許庁の特許審査を行うとともに、 調査サービスも提供している機関です。調査ツールとしてEPO審査官データベースを使用しており、実際にサーチ方法を見ながら調査方法について意見交換することが出来ました。

 今回の活動を通して、PDGとの情報共有、JIPA意見発信と活動の紹介、欧州知財団体とのネットワーク強化を図ることが出来ました。今後も定期的に情報交換を行い、連携を 継続していきます。

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