国際活動
”第13回三極ユーザ会議”及び“三極特許庁と三極ユーザとの実務レベル会合”を開催
2010年6月2日(水)に、米国バージニア州において、第13回目の三極ユーザ(JIPA、AIPLA、IPO、BusinessEurope)会議が開催されました。この会議は、JIPAの提唱に基づいて、世界のユーザ団体の声をひとつに集めて制度調和を促進すべく、2003年以降、毎年、開催されているものです。JIPAは三極団体や国との様々な意見交換を通じて、当初からの理念である世界特許制度ハーモの実現、及び各局特許審査の質向上を働きかけてきました。
世界特許制度ハーモの第一歩である共通明細書様式が大きく前進したので、今回の会議では前回から継続してサーチのハーモ及び審査のハーモの議論を中心に行いました。その具体的な手法として三極で引用文献の記載方式を統一する"Common Citation Document"や、三極の審査官の調査範囲をお互いに明確にする”Common Search Strategy”を討議しました。また、三極特許庁間の実務レベルでの協働が進むことが期待される審査ハイウェイ(PPH)や、PCT制度改革の今後の動向、五極特許庁会合(IP5)への対応、及び特許の質向上についての三極ユーザの連携についても議論し、ユーザ間の意見交換を通して、ユーザ共通の要請として三極特許庁にあたるようにしました。
また今年からは、三極特許庁とユーザとの実務者レベルの会合も、これまでの秋に加えて春にも開催されるようになり、翌3日(木)には、米国特許庁において日米欧の三極特許庁及び三極ユーザによる会合が行われました。会合では、各庁におけるワークロードの低減と、それによりユーザが享受し得る特許の質向上を目指し、より使いやすい知的財産制度の実現に向けた取り組みについて、前向きな意見交換を行いました。
なお、次回の三極ユーザ会議は、11月に再び、米国で開催される予定です。