国際活動

ライセンス第1,2委員会 シンガポールとタイへ調査団派遣

 JIPAライセンス第1第2委員会では、2013年2月18日〜22日の日程でシンガポール及びタイに調査団を派遣しました。昨今、日本企業はASEANを始めとする新興国へ活発に進出し、様々な形でビジネスを展開していますが、技術のライセンス契約に関するASEAN諸国の法制度、手続きなどに関する情報が十分と言えないのが実態です。

 シンガポールは、欧米系を始めとした多くの法律事務所が現地事務所を開設するなどASEANのリーガルハブとして、タイは日本企業を含めた外国企業が多く進出する製造業のハブとして、重要な機能を果たしているため今回の派遣対象国としました。

 今回の訪問では、技術ライセンス契約を中心に、ASEAN諸国における現地法制度・運用の実態、日本企業がASEANの現地企業等とライセンス契約を締結する際の留意すべき事項などについてヒアリングを行うことを目的とし、下記の計13機関を訪問しました。

シンガポール

法律事務所
Baker & McKenzie、ATMD Bird & Bird、 Drew & Napier

公的機関等
IPI Singapore、シンガポール法務省(Ministry of Law)、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)、WIPO Arbitration and Mediation Center

タイ

法律事務所、特許事務所
S&I International、Tilleke & Gibbins、Miyake & Yamazaki、Masuvalley & Partners

公的機関等
タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)、JETROバンコク

 シンガポール及びタイの法律事務所や特許事務所では、ASEAN諸国(タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、シンガポール)の技術ライセンス契約に関連する法制度、ライセンス契約の登録制度、現地企業とライセンス契約を締結する際の留意すべき事項など、JIPAからの事前質問に基づき意見交換を行い、実務に即した有益な情報を得ることができました。

 シンガポールの公的機関等では、シンガポール政府が掲げる“IP Hub in Asia”構想の目標について説明を受け、ASEAN諸国でのIPのハブを目指す同政府の知財戦略を知ることができました。

 タイの公的機関等では、同機関における技術移転の実例や知財の取り扱いに関する方針を伺い、タイ政府機関による技術移転の実態を把握することができました。

 今回の調査団を派遣した機関からは、現地での意見交換に留まらず、JIPAからの事前質問への回答を含め多大なご協力を頂きました。今回の調査報告書は、後日資料として発行致します。

  • IPI Singaporeにて
  • タイ国立科学技術開発庁にて
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.