国際活動
メキシコに調査団派遣
JIPAは、2012年1月22日〜27日の日程で、内藤副理事長を団長とする調査団をメキシコに派遣しました。自由貿易圏の枠組みが拡大する中、NAFTAの一員としてFTAを積極的に推進し、中南米においてもブラジルに次ぐ成長国であるメキシコへの関心が国際的に高まる中、今回の訪問は、メキシコにおける知財活動・知財保護の現況を調査し、現地との連携体制を構築することを目的としたものです。
現地では、産業財産庁(IMPI)、知的財産特別裁判所(SEPI)、国税庁税関総局、メキシコ米国商工会議所(AmCham)知財委員会、国立工科学院高等研究所の他、法律事務所など計9箇所を訪問しました。
IMPIでは、Rendon副長官等と面会し、メキシコにおける技術イノベーションの状況、知財行政についてお話を伺いました。実用新案の実体審査廃止を盛り込んだ法改正を検討中とのこと。法改正の過程において、JIPAのようなユーザ団体にパブリックコメントを提出する機会を与えて欲しい旨依頼し、今後、日本企業の意見を聞く機会を与えて頂くことについてご了解を頂きました。
SEPIでは、Anaya裁判長等と面会し、審理の現状について、お話を伺いました。3名の裁判官で年間2,500件の事件を扱っており、特許に関する事件は5%程度とのことでした。
税関ではMartinez氏等と面会し、模倣品の水際取締りについてお話を伺いました。メキシコの税関は、最も模倣品を発見した税関としてWIPOから表彰を受けており、職員の教育・スキル向上に大変熱心であるとの印象を受けました。模倣品のほとんどが中国からの貨物であり、中国当局との連携を模索しているとのことでした。また、模倣品が国内市場に流入するのを防止したいので、日本企業にも協力頂きたいとのことでした。
AmCham知財委員会では、模倣品の消費傾向調査、消費者の啓発活動、メキシコ政府とのコミュニケーションなどの模倣品対策の活動を積極的に展開していました。また、米国系企業とともに、イノベーションと知財とを結びつける教育を進めようとしているとのことです。今後はJIPAとも連携し、メキシコにおける課題を解決していくことについて、ご了解を頂きました。
今回の調査報告書は、後日資料として発行致します。
- 於 IMPI
- 於 税関
- 於 SEPI