国際活動

2012年インド訪問代表団の実施

 JIPAアジア戦略PJでは、2012年1月15日から22日にかけ、小薗江常務理事を団長とする13名の代表団をインドのデリーとバンガロールに派遣した。インドについては2008年11月の派遣以来約3年ぶりの訪問である。

 今回の訪問は、主に公的機関への知財制度・実務に関する要望と、民間機関での情報収集を目的とし、下記の計13機関を訪問した。

  • 公的機関     : インド商工省産業政策推進局(MCIDIPP)、インド競争委員会(CCI)、デリー特許庁、
                デリー高等裁判所、インド税関ICEGAT
  • 知財関連機関  : インド商工会議所(FICCI)、インド日本商工会
  • 法律事務所    : LexOrbis事務所、Anand&Anand事務所
  • 知財調査会社  : モレキューラコネクションズ、クレアボレックス
  • 現地民間企業  : サムスンINDIA、フィリップスINDIA

 各訪問先では、インドの知財制度や出願/訴訟など具体的な実務などについて活発な意見交換がなされるともに、各訪問先からは日本の知財制度/実務に関する質問が寄せられインドの知財関係者に日本の知財制度を知ってもらう良い機会にもなった。特に、MCIDIPPへは日本側の関心事項が高い要望である「PPH導入」、「実施報告書の簡素化」、「情報開示義務の簡素化」などを説明したところ、実施報告書作成の企業負担を軽減する具体案をJIPAから提示すればDIPPで検討するとのコメントを得ることができた。
 デリー特許庁では、提供される特許情報の正確性の向上と検索データベースの整備について要望を伝えるとともに、庁内における特許情報のワークフローやデータベースのエンハンス計画に関する情報を得ることができた。
 またインド競争委員会(CCI)では、2009年に発足した新組織で主にM&Aを監視している旨を聞き、現在コモンローで扱っている不正競争を競争法として成文化するには、FICCIか政府間ルートで要望するようにとアドバイスされた。
 また、デリー高裁では、裁判官から知財裁判の迅速化のためにすでに実行されている施策が紹介され、日本企業のインド知財戦略を立案するための非常に役に立つ情報を得ることができた。
 さらにインド税関ICEGATEでは、電子登録システムの全体像の及びIPR関連の処理、手続き等の情報を得ることができた。
 また各民間機関では、インド特許/意匠を検索できる商用データベースやIPリーガルアウトソーシングに関する情報を得るとともに、インドに知財部門を有するグローバル企業の知財実務の実態を垣間見ることができた。

 今回の代表団では、インド知財環境が急速に進展しており、定期的な訪問による情報収集とJIPAからのタイムリーな意見提言の必要性を痛感させられた。また、インドの知財制度/知財施策は日本企業の認識より遥かに進んでおり、各団員にとってはインドの知財戦略を再考するきっかけとなる良い機会でもあった。

 アジア戦略PJでは、今回構築することができた各関係機関とのパイプを活用し、ユーザーフレンドリーな知財制度への提言を来年度も引き続きインドに対して行っていく予定である。

  • 会長の挨拶

    MCIDIPPとの会合
  • 基調対談

    デリー特許庁との会合
  • パネルディスカッション(I)

    デリー高裁との会合
  • パネルディスカッション(II)

    FICCIとの会合
  • ポスターセッション

    LexOrbisとの会合
  • レセプション

    Anand&Anandとの会合
  • レセプション

    モレキュラーコネクションズとの会合
  • レセプション

    日本人商工会の会合
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