国際活動
日中企業連携会議を開催!
3月20日に上海、22日に北京において、それぞれ日中企業連携会議を開催しました。
この会議は、JIPA・その会員企業と、中国専利保護協会(PPAC:北京)・その会員企業、並びに上海知識産権局(SIPA)・上海知識産権服務中心(SSPI)・その傘下企業との友好関係を築くことを目的として、2005年4月に日中企業連携知財フォーラムを上海で開催して以降、北京と上海にて年1回、企業の知財活動に関する共通の実務的課題についてプレゼンとディスカッションを行い、互学互習しましょうという趣旨で、継続実施しているものです。
本年度は、日中双方が大きな関心を持っている、「人材育成・知財教育」および「知的財産権の活用」というテーマを取り上げて、以下のとおり、プレゼンと活発なディスカッションを行いました。
また、本年度は国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)活動の一環として、3月20日に広州において企業連携会議が開催されましたが、この会議にJIPA関係者を派遣しましたので、これについても報告します。
第7回上海・日中企業連携会議 テーマと参加(発表)企業
■テーマ「人材育成・知財教育」
|
■テーマ「知的財産権の活用」
|
上海会議への中方参加企業は、SSIP傘下の上海在住の中小企業が中心で、特許出願件数はそれほどでもないが、意匠、商標についてはかなりの出願をしている企業が多い。
冒頭、上海知識産権局の蔡副局長(上海知識産権服務中心の責任者を兼務)が挨拶をされたが、上海市において現在策定中の知的財産権綱要および上海市における近時の知財活動について説明があった。
その後、連携会議に移り、従来どおり、午前、午後にかけて、「人材育成・知財教育」と「知的財産権の活用」の、2つのグループに分かれてプレゼンとディスカッションを行なったが、中国側の知財意識、実務レベルが大きく向上したこともあり、1企業当たり30分の持ち時間にも関わらず、時間のやりくりに苦労するほどの活発なものとなった。
最後に、上海市知識産権研究会・許主任およびJIPA竹本副理事長から、各グループにおけるディスカッション・サマリーと講評をいただき、閉会した。
当初は、SSIP側の予算の関係で本会議の開催が危ぶまれたが、こうして開催してみると、双方共に大きなメリットがあることを今更ながら再確認することができ、継続開催に向けて今後協議することにした。
- 開会挨拶:SIPA蔡副局長
- 同左:JIPA宮内常務理事
- 人材育成チーム集合写真
- 権利活用チーム議論風景
- サマリー・講評:SSIP許主任
- サマリー・講評:JIPA竹本理事長
第6回北京・日中企業連携会議
テーマと参加(発表)企業
■テーマ「人材育成・知財教育」
|
■テーマ「知的財産権の活用」
|
本年度は、従来方式とは異なり、一つの会議室にて、午前中に「人材育成・知財教育」を、午後に「知的財産権の活用」について、それぞれプレゼンとグループ・ディスカッションを、同時通訳にて行なうと共に、更に会員外のオブザーバ参加も認め、グループ・ディスカッション後の全体ディスカッションにも参加できる形式としたため、総勢約100名という多数の参加者を得、極めて活発なディスカッションを行なうことができた。
冒頭、中国専利保護協会設立の立役者である王会長(元、中国国家知識産権局・局長)が挨拶をされたが、中国における知的財産面での目覚しい躍進に触れられた。その後、JIPA竹本副理事長から、日本における知財人材育成の取組み、JIPA研修等についてミニ講演を行なった。
今回の会議では、上表のごとく、中方は、昨年度までとは異なり、PCT出願の多いZTE(中興通迅)、華為(Huawei)のような大企業ではなく、中堅企業が発表を行ったが、これらいずれの企業も知的財産に関する関心が極めて高く、しかも内容の伴った活動を実施していることが感じられた。また、それぞれのプレゼンに対して、時間制限しなければならないほど数多くのディスカッションが行われた。
最後に、中方よりPPAC・鄭副会長(天津天士力集団)、日方よりJIPA宮内常務理事から講評がなされると共に、本連携会議の継続開催について相互に確認を行なった。
- 開会挨拶:PPAC王名誉会長
- ミニ講演:JIPA竹本副理事長
- 人材育成チーム・プレゼン風景
- 権利活用チーム・プレゼン風景
- 会場全景
- 会場全景
- 講評:PPAC鄭副会長
- 講評:JIPA宮内常務理事
広州・日中企業連携会議
出席者:
(中方)中興通訊、広東威創視訊科技、広東科大機電、中山大洋機電、広東省知識産権局
(日方)JFEテクノリサーチ、パイオニア、エプソン中国、バンダイ、パナソニック中国、特許庁、在広州日本領事館、JETRO北京、JETRO広州
昨年4月にIIPPFハイレベルミッション(団長:志賀IIPPF座長)が広州を訪問した際、日本側から日中企業の「民民交流」を行うことを提案したところ、広州側から賛同があり、会議開催が決定されました。
これに基づいて、3月20日にJETRO広州において、上記参加者を見て会議が開催されました。広州知識産権局関係者の挨拶を皮切りに、JIPA関係者から、ここ数年、JIPA会員企業と中国企業とのディスカッションを目的として北京、上海において開催している日中企業連携会議について説明を行なった後、日中企業各2社からプレゼン、これに対する質疑応答を行い、内容の濃い議論を行ないました。また、来年以降民交流をどうするかについて話し合いましたが、日中企業双方から、「是非継続したい」との意向が示され、来年も開催することになりました(中方窓口:広州知識産権局、日方窓口:JIPA)。
- 集合写真