「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 9号 / 1211頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | データ集積を伴う企業結合における注意点 |
著者 | 押野雅史/花本浩一郎/阪本 凌 |
抄録 | 近時、データ集積を伴う企業結合についての競争当局の関心が高まっている。欧米においては、2000年代より、競争当局や裁判所が企業結合に関してデータの集積に着目した調査や判断を行っており、日本においても、公正取引委員会が企業結合審査に関するガイドラインを改定し、当事会社が競争上重要なデータを保有する場合の企業結合審査の留意点が盛り込まれた。 そこで、本稿では、データ集積を伴う企業結合という観点で注目に値する近時の日本の事例を取り上げて、当事会社が希少なデータを保有する企業結合における市場シェアの算定方法や、当事会社の供給拒否や抱き合わせ販売による競争事業者の排除といった市場への悪影響の判断方法につき検討するとともに、海外においてデータの集積や知的財産権が問題となった企業結合事例につき解説した上で、法整備の今後の動向及び日本企業がデータ集積を伴う企業結合を検討する際の注意点につき述べる。 |
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