「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 8号 / 1171頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 48) |
論文名 | (No. 48) [米国]米国最高裁:破産での契約履行の拒絶は契約違反─ライセンシーは契約により与えられた 商標ライセンスを継続使用できる─ |
著者 | 井手久美子 |
抄録 | 連邦破産法第365条(a)項に基づき、破産した負債者は、未履行契約(executory contract)について、契約の履行を拒絶(reject)することを破産裁判所に求めることができる。連邦破産法第365条(n)項には、知的財産権が関わるライセンス契約について、契約履行の拒絶が認められた場合でも、ライセンシーは契約により与えられたライセンスの権利を存続する、と記載がある。しかし、この連邦破産法第365条(n)項における「知的財産」の定義に商標は含まれていないため、商標ライセンス契約の履行が拒絶された場合、ライセンシーが商標のライセンス権を失うか否かについて、連邦巡回区控訴裁判所により見解の不一致が生じていた。最高裁判所は、大多数の意見により、商標のライセンス契約について、連邦破産法第365条(a)項に基づき契約の履行が拒絶されても、商標ライセンスにより与えられたライセンシーの商標使用の権利は存続するという判決を下した。 |
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