「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 8号 / 1161頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 507) |
論文名 | (No. 507) コスチュームの使用等による 不正競争行為の有無が問題となった事案─「マリカー」事件─ |
著者 | 太田知成 |
抄録 | 本事案は、周知著名なゲームキャラクターに類似したコスチュームの利用行為等の適法性が問題となった事案である。一審と控訴審では、不競法違反を理由とする外国語による広告宣伝物の差止を巡り、日本語を解さない需要者の間における原告商品等表示の周知著名性の判断が分かれた。外国人を需要者とし、かつ、海外からのアクセスが事業上も重要となるビジネスにおける不正競争行為の判断にあたっては、根拠となる標章につき、海外における周知著名性や日本語を読めない外国人の間における周知著名性も重要となる点に留意すべき事案といえる。また、控訴審は、不競法違反による損害の認定における使用料率につき、不正競争行為をした者については、通常の料率よりも自ずと高額になるべきとの規範を掲げ、料率算定における判断要素を示しており、その点でも参考となる事案である。 |
本文PDF |