「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 7号 / 932頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州特許庁における口頭審理の実務─審査段階と異議申立それぞれの対応─ |
著者 | 小西 恵 |
抄録 | 欧州特許条約は、出願人の聴聞を受ける権利(欧州特許条約第113条)を保証しており、この聴聞権を担保するのが、欧州特許庁における口頭審理である。このため、欧州特許庁では、審査段階でも異議申立においても当事者が請求する限り、口頭審理が必要的に開催される。日本にも無効審判手続き中に口頭審理があるが、欧州特許庁における口頭審理はこれと似て非なる手続きであり、元には戻れないラストステージである。とりわけ、審査段階の査定系(ex-parte)口頭審理では、審査官の心証はニュートラルではなく、すでに本願を拒絶すべしとの予断を持っている。欧州特許庁での近時の審査迅速化により、出願人にとっては機が熟す前に口頭審理の召喚状が送達されるケースも増えている。本稿は、欧州特許庁特有のこの口頭審理の制度を解説した上で、欧州特許庁における近時の動向や制度改正を踏まえて、日本出願人にとっての留意点と口頭審理で勝率を上げるアプローチを考察する。 |
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