「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 7号 / 917頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 今始まる,香港を活用した知財戦略─香港の対中戦略上の位置付けと新制度設置を踏まえて─ |
著者 | 道下理恵子 |
抄録 | 日本企業が中国企業に対する特許ライセンス交渉を優位に進める上で、香港をいかに活用するかについて考える。まず香港の概況と知財面で香港が実は注目されてこなかった理由を述べる。中国企業とその親会社、関係会社等の多くが香港に拠点と金融資産を置く現状は、外国企業の対中国知財戦略上で着目すべき点に関して指摘する。現状、外国企業の香港の活用は訴訟地ではなく仲裁地としてであることから、香港での仲裁に関して解説する。ここへ来て、香港政府は特許制度改正及び裁判所の機構改革を実施し、特許出願と特許訴訟を行う環境を整え始めたため、香港は知財戦略拠点としての機能を高めつつある点について説明する。香港での諸改革は中国の戦略上のものであるが、外国企業にとっては香港を活用した新たな挑戦を始める契機となると考え、日本企業への注意と行動を提案する。 |
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