「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 3号 / 313頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許異議申立への影響因子についての分析 |
著者 | 特許第2 委員会第3 小委員会 |
抄録 | 平成27年に開始された特許異議申立制度は取消決定率が低いことが指摘されているもののユーザーである企業の注目は高い。当小委員会では、2017年度に引き続き、取消理由が通知された事案において約80%の割合で訂正請求がなされていることに注目し、特許の書誌的因子と、取消理由通知の発行率・取消理由通知への採用率との間に相関があるのか、また当該発行率を高めるための証拠としては非特許文献のうちどのようなカテゴリーのものが有効かについて統計的に分析した。書誌的因子については、一部を除いて取消理由通知への有意な影響は認められなかったが、証拠に関しては、非特許文献のカテゴリーとして実験成績証明書を用いた申立が、その他のものを用いた場合と比べて当該発行率及び訂正請求の割合を高める傾向があることをつきとめた。さらに事例を分析することにより、このカテゴリーの証拠を用いる際に留意すべき事項を申立人の立場となりうる実務者への提言として紹介する。 |
本文PDF |