「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 2号 / 170頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国タイムスタンプの状況と日本国内の証拠確保について |
著者 | 粕川敏夫 |
抄録 | 近年、中国における知的財産訴訟事件は急増している。特に、インターネット上の特定の侵害事件については、近年インターネット法院が設けられ、インターネット上での裁判も行われている。また、ビジネスのIT化、IoT化などが進むにつれ、Webデータ等の電子データが証拠として利用されるケースも急増している。 電子データとして存在する証拠は、その性質上、改変が容易であり、その存在していた時刻も明確ではないことから、これを補完するための技術として電子タイムスタンプ(以下、単に「タイムスタンプ」という。)が注目されている。中国ではこのタイムスタンプが利用された証拠に基づく裁判例も多く出ており、関係する司法解釈も出されている。 本稿では、中国におけるタイムスタンプの証拠としての利用の状況とこれに対する裁判例を取り上げて解説するとともに、これに対応した日本国内での証拠の確保についていくつかの問題点を取り上げて日本企業の対応について提案を行う。 |
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