「知財管理」誌

Vol.70 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 70巻(2020年) / 2号 / 159頁
論文区分 論説
論文名 技術情報が有する効果に基づく裁判所の営業秘密性判断
著者 石本貴幸
抄録  営業秘密と主張される技術情報は、裁判所によって秘密管理性が認められたとしても、有用性や非公知性が認められない可能性がある。この理由は、膨大な数の特許公開公報やその他の技術資料によって多くの技術情報が公知となっていたり、自社製品のリバースエンジニアリングによって非公知性が喪失していると判断されるためである。さらに、営業秘密と主張される技術情報が公知の技術情報と比較して優れた効果を有しないとのように裁判所が判断し、その有用性又は非公知性を認めない場合もある。このような裁判所の判断は、技術情報に特有であると共に特許制度における進歩性の判断と同様とも思われ、技術情報を営業秘密管理する場合に留意するべき事項である。このようなことから、本稿では、技術情報が有する効果に基づく裁判所による営業秘密性の判断について論考する。
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