「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 12号 / 1692頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 化学分野において,実験例がなくても 特許をとれるのか?─実験例がなく計算科学のみで記載要件を充足する方法─ |
著者 | 特許第1 委員会 第2 小委員会 |
抄録 | 化学分野における特許出願においては、クレームする化合物に関する実験データを実施例として記載する場合が多い一方で、実験例の代わりに計算科学によるシミュレーションデータを記載する特許出願も散見される。このような計算科学を用いた特許出願について、審査段階でどのように記載要件が判断されているか、複数の事例で確認した。その結果、(1)計算科学によるシミュレーションデータが、実際の実験データと同視できる程度の信頼性を有することについて、明細書で記載するか又は他の文献を用いた論理展開をする必要があること、(2)計算科学によるシミュレーションデータから導かれる一定の特性等について、発明の効果との関係性を十分に示す必要があること、発明の効果との関係で特性等が複数ある場合は、そのいずれに対しても関係性を示す必要があることがわかった。 |
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