「知財管理」誌
Vol.64 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 64巻(2014年) / 5号 / 671頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国商標法の第三次改正とその日本企業への影響 |
著者 | 遠藤 誠 |
抄録 | 2013年8月30日、商標法の第三次改正が可決・成立したが、日本企業にとっては、かえって不利となる点が少なくない。とくに「商標の使用」の定義に「商品の出所の識別に用いる行為」という文言が追加されたことは、要注意である。従来、中国では、OEM製造委託のケースを除き、「商標の使用」概念に関する実質的議論はあまり行われておらず、律師や商標代理人の意識が乏しいため、日本企業や日本の知財実務家との間でコミュニケーション・ギャップが生じる可能性が高い。「商標的使用」論は、商標権侵害の成立範囲を狭くする方向に働く理論であることから、中国で商標権侵害を主張しようとする日本企業にとっては、従来よりも不利となる可能性がある。また、「商標の使用」 は、基本的に、「中国における商標の使用」が要件とされる可能性が高いことから、日本企業としては、「中国における商標の使用」の実績・証拠を残す努力がこれまで以上に必要となる。 |
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