「知財管理」誌
Vol.64 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 64巻(2014年) / 1号 / 103頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.431) |
論文名 | No.431 意匠類否判断の主体(需要者)の解釈と実務 ─立体フェイスマスク事件から─ |
著者 | 恩田博宣 |
抄録 | 本件判決では、意匠の類否について、「意匠に係る物品の性質、用途、使用態様、さらには公知意匠にない新規な創作部分の存否等を参酌して、需要者の注意が惹き付けられる部分を要部として把握した上で、両意匠が要部において構成態様を共通にするか否かを中心に観察し、全体として美感を共通にするか否かを判断すべきである。」とする。この類否判断の基準は、特許庁の意匠審査基準でも、多くの判例でも、採用されている一般的ともいえるものである。この判決にみられる判断の手法は、事実上、「需要者」を専門的な知識を有する当業者と見立てたものであると思われる。意匠実務においては一般に、「需要者」という文言の有する「素人」というニュアンスを払拭して、本件判決と同様に、「需要者」を「当業者」と解釈するのがよい。一方、上記理論では非類似の主張が厳しいときには、「需要者」を素人と解釈して、主張を展開する方法も考えられる。 |
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