「知財管理」誌

Vol.64 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 64巻(2014年) / 12号 / 1773頁
論文区分 論説
論文名 特許契約条項における独占禁止法上の留意点
著者 碓氷裕彦
抄録  特許契約は、当事者の業種や事業規模で判断が相対的となる独占禁止法と、当事者の事業規模に拘わらず有効性や属否の判断が出来る特許法との双方を考慮しなければならないので、技術者であることが多い知財部員が特許契約に携わる場合には契約条項の扱いに戸惑いを感じる事がある。
本論では、そのような知財部員を対象に、独占禁止法と特許法との関係から特許契約を捉え、実際に争われた事例を踏まえて、特許契約の条項がどのような場合独占禁止法上の問題が生じるのかを説明する。正当な権利活用の結果として、契約条項を当事者が経済的合理性を以って取決めた特許契約は、一般的には独占禁止法上の問題が生じにくい。その為、特許契約が正当な権利活用の結果を取り纏められたものであることを示すことが、独占禁止法の問題を生じさせない上でも有効である。従って、交渉経緯を示す客観的事実を収集・保管しておく事が望ましい。
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