「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 2号 / 211頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 404) |
論文名 | No.404 特許法101条4号「専用品型間接侵害」の適用範囲と「のみ」要件の解釈 |
著者 | 渡辺 光 |
抄録 | 録 間接侵害は、直接侵害の蓋然性の高い行為を取り締まることにより、特許権の保護を全うしようとするものである。他方で、その安易な適用による特許権の効力の過度の拡張を防止する必要性の下に「のみ」要件が定められたものとされ、同要件は、「他用途における使用が経済的、商業的ないしは実用的な使用の可能性がないこと」のように厳格に解されてきた。この「のみ」要件に関し、本判決は、「本件発明を実施しない機能のみを使用し続けながら、本件発明を実施する機能は全く使用しないという使用形態を、Y装置の経済的、商業的又は実用的な使用形態として認めることはできない。」と判示し、「のみ」要件を緩和して適用することにより、専用品型間接侵害を認めた。本件は、多機能型間接侵害規定の導入後の事件であり、間接侵害の両類型の関係を再検討する必要が生じよう。最高裁及び今後の同種事案についての判断に注目したい。 |