「知財管理」誌
Vol.62 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 62巻(2012年) / 2号 / 161頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国明細書を流用した欧州明細書の落とし穴−構造的クレームと機能的クレーム− |
著者 | 稲積 朋子、高橋 明雄 |
抄録 | 特許権の権利範囲を定めるクレームをどのように記載すべきか。これはどの国においても最も重要な課題である。日本企業が外国出願を行う場合、使用言語や特許実務の違いという障壁を乗り越えなければならない。米国と欧州に着目すると、英語という共通の言語を使用できるが故に、特許実務の違いに対する検討を省略し、米国と欧州に同一のクレームで出願を行うという実務が蔓延しているように思われる。本稿では米国と欧州のクレームドラフティングの違いについて検討を行った。その結果、米国流クレーム(構造的クレーム)と欧州流クレーム(機能的クレーム)では、発明の捉え方がそもそも異なることが判明した。米国や欧州においてよりよい特許権を取得するためには、各国現地代理人への指示内容や基礎となる日本出願明細書の記載内容の見直しが必要となるであろう。 |
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