「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 6号 / 831頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 発明者の認定と収益への特許発明の寄与―職務発明にも関連して― |
著者 | 影山光太郎 |
抄録 | 発明が成立に至る段階を、(1)着想の提案、(1.1)単なる思いつき、(1.2)原理を考えた着想、(2)着想の具体化、(2.1)モデルの設定(含機構)、(2.2)実験・計算、(2.3)モデルの修正と考え、これは典型的には機械系の物の発明で成立するが、化学系では(1.2)(2.1)は混じ、方法の発明では(2)が重視される。発明者・共同発明者は、(1.2)または(2.1)に加わり、また発明の特徴的な構成要素に関与した者である。 基本特許発明、その後の改良発明が企業の収益に寄与するについて、特許権の機能((1)実施の効果、(2)禁止の効力)、特許権の権利範囲、製品を構成する特許権の観点から検討し、特に権利範囲にある場合に法的に寄与が認められる。 上記発明者の認定、収益への特許発明の寄与の検討は、職務発明における発明者の認定・評価に役立ち、より根本的に研究開発における研究者・技術者の評価・処遇に適した発明報奨制度の制定、さらに研究開発政策立案の基礎になるべきものである。 |
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