「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 4号 / 553頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 大学の知的財産マネジメントと効果的な産学連携の諸条件 |
著者 | 伊藤伸 |
抄録 | 社会的な期待がかかる産学連携の現場で企業と大学の交渉や議論が噛み合わない場合が生じている。近年の変化やインパクトは、産業界より大学の方が大きい。研究成果である知的財産を創造、保護、活用の各段階で適切に評価し、取り扱う知的財産マネジメントが大学の機能として要請されるようになったからであり、承認TLOはその突破口になった。産学連携には2つの大きなミスマッチがある。1つは大学の研究成果と企業の吸収力の関係である。もう1つは組織の実質的損得と具体的な契約交渉の調整に関してである。産学連携の本質であるイノベーションを引き起こせるように大学と産業界がイコールパートナーシップを持つことや、大学とTLOの専門人材の育成が重要である。必要な制度改革とシステム構築は終了しており、行動原理の異なる企業と大学が現実的な利益を上げるためのマネジメント能力が決め手である。 | 本文PDF |