「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 3号 / 529頁 |
論文区分 | 特集(企業経営に資する知財活動を考える−業種,企業競争の実態にあわせた知財戦略) |
論文名 | 知的資産経営時代における知財部門の担うべき役割―知的財産マネジメントのすすめ― |
著者 | 知的財産管理第2委員会、第1小委員会 |
抄録 | 21世紀の経済は、ものづくりの経済から知識経済へと転換しており、企業価値創造の源泉も、有形資産から、人材、ブランド、顧客とのネットワーク、知的財産、経営プロセス等の知的資産に大きくシフトしてきている。 こうした経済環境下では、個々の企業において、自らの競争力を生み出す源泉となっている知的資産を正しく認識し、最大限に活用して差別化の状態を継続することにより、中長期的な収益力を確保し、ひいては企業価値を実現していく経営が重要である。本論説では、このように知的資産を重視し、活用する経営を「知的資産経営」と呼ぶこととする1)。 近年の知財部門の活動は、知的財産権を中心とする従来からの業務領域を超えて、知的資産を重視する経営の一翼を担うようになってきている。そこで当小委員会では、企業における知財部門の業務拡大の実態の確認を通じて、知財部門の活動がどの知的資産と関係し、どのように知的資産経営に貢献しているかについて調査・研究することとした。 まず、企業アンケートを通じて、知財部門はどのような知的資産をどこまで活用できているのか、どのような知的資産をどの程度重要と考えているのか、これからはどのような知的資産を活用すべきと考えているのかを明らかにした上で、知的資産経営時代における企業価値向上のために、知財部門が担うべき役割について具体的に検討した。 その結果を踏まえ、以下の4点について提言する。(1)知的財産戦略機能を経営の中央に位置づけること、(2)知財ポートフォリオをマネージできる人材の育成、(3)研究開発の上流段階への参画と提言、(4)知的財産が知的資産経営に貢献するプロセスの可視化と開示、である。 |
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