「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 1号 / 81頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 情報化社会に伴う特許法のパラダイム・シフトと情報保護法としての新たな制度設計 |
著者 | 酒井宏明、井口泰孝、曹勇 |
抄録 | 特許法は、財産的価値を有する技術情報を保護するための技術情報財保護法である。その存在意義は、技術情報を適切に保護すべく制度設計され、時代に応じて、経済システムとして産業の発展に寄与することにある。ところで、「情報」自体はあくまで無体物であり、有体物とは異なり消費の排他性がなく、無体物たる情報を保護するためには、まず保護すべき情報の領域画定と、保護のための方策を明確にする必要があった。昭和34年特許法では「自然法則を利用する技術的思想」と発明概念の外枠を画定し、また、旧法より継続して、発明の「実施」の態様を明確にし、効力範囲をあらかじめ画定するための方策として「カテゴリー」という概念を用いた。これらの、特許法の中における、ある意味パラダイムは、果たして情報化時代と呼ばれる現代においても、社会において特許法の存在意義を担保するために有効に機能しているであろうか。本稿では、パラダイム・シフトを前提に情報化社会に適応するように、特許法の構造を再構築する必要性につき考察する。 | 本文PDF |