「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 12号 / 1821頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国特許法改正案概要と動向 |
著者 | 服部健一 |
抄録 | 米国特許法改正案は下院でSmith議員の主導の下に10議員が支持するH.R.2795原案、それを修正したH.R.2795 Smith修正案、そして産業共同案がそれぞれ先発明を若干加味した先願主義を提唱してきた。 しかし抜本的改正を危ぶむ下院Berman/Boucher両議員は異議申立や損害賠償のみに絞ったH.R.5096を提案してきた。そして更にそれらの改正法案での審議結果を反映させたHatch(上院)/Leahy(下院)が提唱したS.3818が出された。このS.3818が先願主義の点についてはH.R.2795 Smith修正案をそのまま取り入れたこと、そして両議員の提案であることは重要な意味を持つ。 しかし、これらの改正案は米国議会が秋の選挙のため今会期が実質的に10月6日に閉会したため成立する可能性はまずないが2007年会期に再提案されることはまず間違いなく、米国特許法改正の審議は2007年に本格的になるものとみられる。そして、選挙の結果、上院は民主党が多数党になったが、今回の特許法改正は両院の支持があるため悪い影響はないであろう。更に、WIPOのBグループの41ヶ国が先願主義に統一することを審議することを同意したと伝えられるがこの機構は各国特許庁の集団であるので、特許改正法の原動力が議会にある米国への影響は少ないと考えられる。 本稿はこれまでの2年間の米国議会での審議を基にして作成、提案されたS.3818 Hatch/Leahy案を中心にして改正内容を解説してある。 |
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