「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 11号 / 1675頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許製品の再利用と消尽理論 |
著者 | 横山久芳 |
抄録 | 本件は、特許発明の実施品であるインクジェットプリンタ用インクタンクの使用済み品にインクを再充填等して製品化されたいわゆるリサイクル製品について、特許権に基づく権利行使を認めた事例である。特許権者が適法に販売した特許製品の譲渡や使用は、消尽理論により、適法とされているが、いったん使い捨てられた特許製品に加工や部材交換を施して再利用することが消尽理論により許されるかどうかについては、これまで裁判例・学説上、様々な見解が示されており、統一的なスタンダードが存在しなかった。このような状況下で、本判決1)は、知財高裁の大合議部として、上記の論点について明解かつ詳細な判断を行ったものであり、極めて重要な意義を有している。本評釈では、本判決以前の裁判例・学説の状況を俯瞰した上で、これとの対比で本判決の意義を述べることとしたい。 | 本文PDF |