「知財管理」誌
Vol.56 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 56巻(2006年) / 10号 / 1485頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ライセンス契約とパテント・プールをめぐる諸問題―知的財産権法と独占禁止法の交錯― |
著者 | 井窪保彦、大月雅博 |
抄録 | 知的財産権法と独占禁止法の目的は、いずれも自由競争に基づく産業の発展・保護であるから、究極的には何ら矛盾するものではない。しかしながら、知的財産権に関する法律が権利者による知的財産の排他的独占を保障するのに対し、独占禁止法は事業者による市場の独占を規制・排除する法律であるため、自ずとそこに緊張関係の生じる場面が考えられる。このように軋轢の生じる場合があるにもかかわらず、文言の難解さ等も相俟って、両法相互の関係を的確に捉えるのが困難である。そこで、本稿では、これまでの相談実例をもとに、頻繁に問題となる論点について、知財の実務担当者の視点から検討を加える。具体的には、まずライセンス契約においてさまざまな義務条項・制限条項を設ける場合の留意点について検討を加える。次に知的財産権を人為的に集積する場合の留意点について検討する。最後に科学技術の進歩により、今後、独占禁止法との関係で特に注意しなければならない点について敷衍する。 | 本文PDF |