「知財管理」誌
Vol.55 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 55巻(2005年) / 12号 / 1801頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | クレーム解釈に関するCAFCの大法廷判決―Phillips対AWH事件― |
著者 | 岩瀬吉和 |
抄録 | 米国特許業界が待望していたPhillips事件の大法廷判決は、今後CAFCはクレーム解釈にあたり、Texas Digital判決に代表される辞書等から導かれる言葉の通常の意味(ordinary meaning)を重視する手続遵守的なアプローチ(Procedural解釈)はとらず、明細書を重視する総合主義的なアプローチ(Holistic解釈)を採用することを明らかにした。本判決は、クレーム解釈に際して辞書を重視するか、それとも、明細書を重視するかという争いに終止符を打ったことでは評価されているが、辞書を補助的に参照することまでは否定せず、また、「クレーム解釈には魔法の方式は存在しない」と述べていることから、実務に与える変化はそれほど大きくなく、また、クレーム解釈の予測可能性についての改善は見込めないとするのが大方の見方のようである。 |