「知財管理」誌

Vol.53 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 53巻(2003年) / 5号 / 785頁
論文区分 論説
論文名 デジタルコンテンツに関わる最近の法的動向
著者 デジタルコンテンツ委員会
抄録 平成14年5月施行のプロバイダ責任制限法を運用するために、権利者がプロバイダに対して侵害物の削除等を求める際の手続の詳細を定めるガイドラインが公表された。また、文化審議会著作権分科会は、法改正をなすべき事項として、侵害者譲渡数量と権利者の単位あたり利益額に基づく逸失利益算定制度の導入、積極否認の特則として具体的態様の明示義務制度の導入、教育・図書館関係の権利制限規定の充実を答申した。同答申ではまた、ライセンシの第三者対抗制度の導入、権利制限規定のさらなる見直し、アクセス権の創設、私的録音録画制度の見直し等、今後の検討課題を挙げている。企業活動の参考となる最近の裁判例として、ホームページの著作物性を判断した事例、バス車体に描かれた絵画の写真利用に権利が及ばないとした事例、カタログ写真への書の写り込みに権利が及ばないとした事例、ゲームソフトのシナリオの改変に関する事例がある。本稿は、これらを紹介し、それぞれ見解を述べる。
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