「知財管理」誌

Vol.53 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 53巻(2003年) / 12号 / 1901頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.301 商標法4条1項15号にいう「混同のおそれ」の解釈
著者 樋口豊治
抄録 商品「地下たび」について周知であることについて当事者間に争いのない原告商標「力王」が存在し、この「力王」の文字は原告(無効審判請求人)の商号「株式会社力王」の略称でもある。他方、これと社会通念上同一であって「飲食物の提供(ラーメン店)」なる役務に後発的に使用される被告の登録商標「力王」が存在する。原告は商標法4条1項15号・8号・19号・7号該当を理由として、被告商標の登録無効を求めて審判の請求をしたところ、特許庁は請求棄却の審決をした。原告はこれを不服として東京高裁に審決取消訴訟を提起し、審決が取り消されたのが本件である。「広義の混同のおそれ」と「需要者の限定」は、相容れ難い概念であることに気付かせてくれる判決である。
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