「知財管理」誌

Vol.53 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 53巻(2003年) / 11号 / 1739頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.300 特許権侵害における消滅時効
著者 小原望
抄録 帯綱の巻取装置に関する特許侵害事件で、消滅時効が争点となった事案である。判決は、不法行為に基づく損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から3年を経過することにより時効消滅するが、「損害を知った時とは、損害のみならず、加害行為が不法行為であることをあわせて知った時」を意味し、また、「加害者を知った時とは、加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況のもとに、その可能な程度にこれを知った時」を意味するとした。そして、原告が本件特許の出願広告(昭和62年11月19日)前における被告製品販売の事実を知ったのは昭和58年2月頃であると認定しつつ、本件特許の出願広告日以降における被告製品の販売行為を知ったのは平成9年3月17日であると認定し、平成12年3月10日付請求による時効中断の後平成12年4月3日に提訴した本件においては消滅時効は完成していない、と判断した。
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