抄録 |
現在、EU議会ではデザインの保護に関するEU意匠法案が審議されており、共同体意匠庁の設置場所もスペインのアリカンテ(EU商標庁と同じ場所)に決定されている。EU意匠法案に関しては、福岡大学法学部教授の土肥一史氏がDESIGNPROTECT No.23 Vol.6-2(1993)に「EC統一意匠制度の進捗状況」として、また財団法人知的財産研究所発行の「意匠権の保護範囲の明確化に関する調査研究」の中でも紹介されている。意匠委員会でも、現在EU議会で審議されているEU意匠法案の内容検討を行ってきた。現時点では、案の段階であり具体的に開示されていない部分もあるが、法案の概要なりともまとめることができれば、協会会員に資するものと考えこの資料を作成した。EU意匠法の制定がいつ頃になるかは不明であるが、(1998年1月頃との観測もある)、この資料が会員各位の参考になれば幸甚である。EU意匠法案には、意匠法独自の制度もあるが、多くの点ですでに発効している共同体商標法と共通している部分があり、現在我々段階では不明な点も共同体商標法の思想に合わせてまとめられて行くものと思われる。共同体商標法については、協会資料第234号に詳しく紹介されている。 |