「知財管理」誌
Vol.46 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 46巻(1996年) / 2号 / 253頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.215 図書館における文献複写サービスと著作権 |
著者 | 久々湊伸一 |
抄録 | 著作権法31条は著作権の権利を害さないように一定の制限のもとに図書館における文献複写を認めているが、複写技術の発達と共に、著作者の権利の侵害の虞もある。現在の文献複写サービスにも種々の問題があるが、本件は複写できる著作物の量的範囲が問題となったもので、事典のような編集物の中の執筆者の明らかな特定の項目は、その執筆者が個別の著作権を有するから、その全部は著作権法31条1号の「著作物の一部分」に当たらないとされ、この項目の全部の複写を求めたX(T市の市民)の申込に対し承諾しなかったY(T市の市立図書館の長)の行為に違法性はないとされた。一件我々の感覚で厳しいように思われるが、検討するとどうなるか。 |