「知財管理」誌
Vol.46 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 46巻(1996年) / 11号 / 1777頁 |
論文区分 | 特集(マルチメディアを巡る法的諸問題) |
論文名 | インターネットと商標 |
著者 | 商標委員会第2小委員会 |
抄録 | インターネットと商標とは、多方面にわたり関連があり、その結果、懸念すべき問題点がいくつか指摘されている。最も密接なのは、ドメイン名の使用とホームページ上の表示の問題である。本稿では、これらの問題を中心に検討を行なった。 ドメイン名の使用は、既存のプラクティスから考察すると、商標の使用には当たらないとの一応の見方には至ったものの、今後インターネットが急速に発展、普及していくであろうことを考えると、周知著名商標の適切な保護という観点からしても、放置で気ない重要な問題であり、より柔軟な解釈・運用が図られるべきであると考える。ホームページ上の表示については、商標の使用に該当するのではないかとの結論に至ったが、個々の具体的事案ごとに慎重に判断されるべきであり、一律に断定すべきでないと考える。また、ハウスマークと密接に関係する商号とインターネット上の使用・表示の問題についても考察すると共に、各国のドメイン名登録機関に対する期待や果たされるべき役割、さらには商標出願対策にも言及した。 インターネットにおける知的財産権の保護や電子商取引に関する問題については、リヨンサミットの議長声明にも取り上げられたことからも明らかなように、インターネットの発達に遅れることなく、関係者が一体になって、タイムリー且つ積極的に取り組んで解決していくべき重要な課題と考える。 |