「知財管理」誌

Vol.46 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 46巻(1996年) / 10号 / 1567頁
論文区分 論説
論文名 新運用指針の医薬特許分野への適用について
著者 特許委員会第2小委員会
抄録 平成7年6月に特許庁から「特許法第36条の改正に伴う審査の運用指針」が公表された。この運用指針のうち「使用」クレーム及び「〜からなる医薬」クレームを新たに見とめた運用に注目し、これらが医薬特許分野の実務に及ぼす影響について検討した。その結果、「使用」クレームを認めた運用には、権利範囲という観点からは、従来から認められているいわゆる治療剤クレームを超える新たなメリットを見出すことができなかった。そのため、医薬特許の分野に関する限り、「使用」クレームを認めた運用は、我国における当該分野の実務に大きな影響を与えるものではないと結論された。これに対して「〜からなる医薬」クレームを認めた運用は、公知化合物であっても医薬用途全般に及ぶ広い範囲の権利を享受し得ることから、医薬特許分野の実務に与える影響が大きいことが予想された。
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